時の流れ

あの時の紅顔の小学生の低学年だった彼が
慶応大学を卒業して
自分のコーヒーショップを立ち上げた。


上手になっていく、お姉ちゃんにつられて、
ピアノに興味をもったらしい。
始めたころの彼は音楽に無縁のスポーツ少年だった。


一番印象に残っているのは
ある日、泣きはらした顔で、
お母さんに連れられてレッスンに来られた。
「ちっとも練習しないから、辞めさせようと思いまして…」
お母さんの陰に隠れた彼は
「辞めたくない」と呟いた。


いつ頃だったろうか、
彼は、メキメキと腕を上げ、
ひとつひとつ仕上げのレベルを上げ、
小学校高学年から学校の伴奏を引き受けていた。
合唱コンクールとなると
よその学校の先生が聴きに来られるくらいだった。


私が感心するのは、
どこまでも、従順で素直で
一度も逆らったことも、
高ぶった言葉も聞いたことがない。
だから正直、教えやすかった。
地元一番のK高校を卒業する時
野球部で毎日明け暮れていたのに
合唱の伴奏を完璧に仕上げ皆の前で弾いた。
実は、その前日に「聴いてほしい」と電話があり、驚いた。
なぜなら以前、私が
「あなたなら、大丈夫。」
という言葉を信じ、
独学でたった一ヶ月の期間で仕上げたことを聞いたから。


あまり人を褒めない私が褒めるのだから…。
彼のお姉ちゃんも内面ばかりでなく美人で、スタイル抜群!
育てられたご両親も…。。。
(お世辞でなく、事実です)


そんな彼のコーヒーを是非、
ご賞味ください!(世田谷「NOZY」http://www.nozycoffee.jp/index2.php
本にも取り上げられたようです。