好み

一昨日、義姉のところに泊らせて頂いた。
朝、いい香りで目が覚めた。
あつあつのお雑煮だった。


お餅が見えないくらいの具だくさんで
今まで食べたことがないお雑煮だった。
…というのも、うちは鶏肉と三つ葉だけの
いたってシンプルなお雑煮が母の定番だった。


「いただきま〜す」と言って汁を啜った。
「美味しい!」
けんちん汁では牛蒡味がなく、
豚汁では、ぶたの出汁がない。
でも、さといも、ねぎ、ホウレンソウ…いろいろな野菜の味が
ほどよく混ざって、なんとも言えない旨さを
引き出していた。


義姉は「でも、こういうのが苦手な人もいるのよ」
「こんなに美味しいのに?」
「その家の味があるじゃない?
私は何も入ってないような雑煮は、美味しいと思わないけどね。」


「ふ〜ん」
音楽も同じかも。「シンプルなもの」がいい人もいれば、
「具だくさん」が好きな人もいる。
困ったのは、「自分の好き」を押しつけることかも。
雑煮を作った人より、
その雑煮が好きかそうでないか
食べる人が決めるんじゃないかな。


とにかく、「満足」できれば
それでいいんじゃないのかしら。
1つにこだわっても、珍しい味にしても
飽きられないようにする。
「伝統」にこだわり過ぎても時代は変わっていく。
「目先」ばかりでも自分の色が出てこない。


時代に流されず、時代のウエーブに乗って生きたい。
それには…やっぱり
「心を見失わない」ことだと思うんですけどね。