腰パン騒動 (1)

ことさら、日本は和や輪を大切にする民族。
“腰パン騒動”に端を発した
バンクーバー五輪男子ハーフパイプ代表
国母和宏選手。


ハーフパイプ」という競技自体
ハンケツ…いえ「腰パン」のカンジですね。
でも、水着が競技の格好だとして
胸を開けたり、腕をまくって着ていたら
やっぱり「どうか」となる訳で…。


皆さんはどうお考えですか。


勝手な私の見解で恐縮ですが、
まずは、問題点を具体化してみましょう。
①「腰パン」が個性を表すことになるか
②ユニホームをキチンと着ることが個性を潰すことになるか
③はたまた、「メダル」を取る実力だったら
何をしてもゆるされるのか…。


以前、中学で教師として働いていた時、
合唱部を任されたことがあった。
肝心のコンクールの日、いつの間にか
私の目を盗んで一人の生徒が
口に真っ赤なリップを塗っていた。
歌い終わってすぐのことであったが当然、注意した。
熱い戦いの中で
「間違いなく決勝に残るであろう」誰もが思っていた。
しかし3位。会場がざわめいた。


そして「とどめ」。
帰り、その子は2位の学校に罵声を浴びせた。
私はその子を引っ張ってバスに乗せた。
「みっともない。『あれだから決勝に残れない』と
アピールしたようなもんだよ。」


帰りのバスの中で、その子と話した。
泣いて、その子は「決勝に残れたはずだ」と訴えた。
「それは私も、同行した先生も
会場もみんな思っていたよ」と認めた。
ただ、「決勝で残る」と思ってリップを塗ったことを聞き、
「そのおごりが歌に出ていたんじゃない?」
私は、「学校」の看板を背負っていること
後輩がこれから続くこと
それがいいかどうか考えさせた。
その子は黙って唇を拭いた。


続く