井の中の蛙

人間の欲は底なし沼のようだ。
例えば、「体に痛み」がある生活を強いられると
この「痛み」さえなければ…と思う。
痛みが消えると、また新たな気持ちが湧いてくる。


最近、「音楽」以外のことで忙しくしているが
新しい出会いの中で、
「本当にこんな奇特な方々がこの日本にもおられるんだ」
と驚いた。


その方々と食事をする機会があり、一人の年配の男性が言われた。


「私は、蕎麦を作るのが趣味で、いろんな所で教えていますが、
本当に楽しいです。
一番うれしいのは、知能障害の施設で教えていて、
こどもたちが競争して作る…大騒ぎでね。
その後、美味しそうにみんなで食べ、
私が帰る時、追ってきて『今度はいつ来てくれるの?』って。
うれしいですね。」


そして、次の言葉が私の心に響いた。


「以前はゴルフが大好きで、自分だけを喜ばせるために
お金を 時間を 労力を使ってきた。
でも、その時感じていた『喜び』とは比べものにならない。
今は本当にうれしい。」


「神の愛」を知っているクリスチャンの私でも、
「本当の喜び」より「自分の喜び」を
優先してしまうのに…。


不思議にこういう方々と共にいると
なんとも言えない「やすらぎ」を得るのはなぜだろう。


「音楽」を離れてみるのもいいもんだ。
もちろん、
こういうことが「演奏」に反映してくると…
あ〜あ、どこまでいっても「自分」だな。
「無償の愛」なんて遥か向こう。


「井」の外に出て
「愛」を見つけた蛙でした。。。