感性

私は、これ以上「感性」の合う人はいないだろう…
という友人がいる。


それは結婚し、静岡の浜松に住んでいたころ
「卵巣のう腫」で入院した時、
同室だったSさんだ。


その後、私が浜松を出て千葉に来て
…そう十数年会っていなかったが
浜松でLIVEをすることになり、
「教会にはいけないので、
どこかでやってもらえないか」と
浜松で教員をしていた時お世話になった、
曳馬中を退職された校長先生が言われ、
(その時は教会とホテルのショーのために行ったので)
急きょ、「サンマルク」というベーカリーで
演奏したことがあった。


その時、1時間近く
ずっと立って聴いていた方がいた。
席を探しているのでもなく、
身動き一つせず、壁に背中をもたれて。


演奏が終わり、
校長先生とその同窓生とおっしゃる方々に
ご挨拶し、お話をしていると
笑顔でこちらを見ている方がいる。
「あっ。Sさん…」
私は場所もわきまえず、大粒の涙がこぼれた。


「感動した。
本多ちゃんの歌には心がある。」
その目には涙が光っていた。


きのう
また声が聞きたくなって、7,8年ぶり?!に
Sさんに電話をした。
「もしもし」その元気な声を聞いて
また涙。。。
なぜだろう。
別にSさんのことで入院の時が思い出される訳でもなく
ただ、ただ涙がでる。
きのう、初めてSさんの昔を話してくれた。
それは、サラッとSさんらしく話されていたが
壮絶過ぎて、私はまた涙を拭いた。
「なぜ、こんな試練を彼女に与えたのだろう」
ただ言えるのは、
Sさんの人生を私に与えなかったのは
耐えることができないから。


大事な友達は他にもおられる。
たくさんはいないけど…。

こんなに離れていても
時が流れても変わらない思い、
「感性」でなくてなんなんだろう。