臨場感

先日、コンサートに
知り合いKさんを誘って行った。
私はロビーでモタモタしていたので、
「先に行って席を取っておいて」と頼み、
行くと
案の定、一番音のいい席に
2つ陣取っていた。


通常なら、そこに座るべきかもしれないが
そのハコはとても変わっていて
舞台が半分から客席になっている。
私は「こっちにしよう」と
彼女を引っ張り
普通なら舞台のところの場所の席に座った。


Kさんは初め
「こんな前で…。」と困惑ぎみだったが
終わると、感想の第一声が
「太鼓の人の筋肉がすごかった」
コントラバスはイケメンだった」
…そこですか。
「せっかくだから臨場感がないとね」と答えた。


いい音楽はCDで聴けばいい。


私は、自分で演奏する時も
ビデオなど録ることを考えない。
気持ちがどうしても集中できないから。
お越しいただいた方々に
精一杯のパフォーマンスすることしか考えてない。


2000年のコンサートで
40名くらいの生徒と
演奏したことがあった。
「ビデオ録っていいですか」という人数が多く
舞台近くに三脚を立てて
学芸会になるのをおそれて
プロの方にお願いしたことがあった。


ピアノ発表会を催した時、
いつもビデオでしか
我が子の演奏を記憶できないのは
もったいない…と思うのです。
ですから、
業者の方に頼めない場合、
親御さん各自に
リハ−サルにビデオを好きなところで
録ってもらい、本番は体いっぱいにして
聴いていただいた。


「臨場感」は
「生」でしか味わえない最高のものですから。